【法人税】役員報酬を期の途中で変えると経費にならない場合も
名古屋市で中堅中小企業の経営を支援する税理士
油谷景子(あぶたにけいこ)です。
役員報酬については、法人税法で認められたケースのみが法人の税金計算上、経費となります。
法人の経費として認められる役員報酬は、次の通りです。
1.定期同額給与
2.事前確定届出給与
3.業績連動給与
このうち、毎月支給する役員報酬は、基本的に「定期同額給与」の要件を満たす必要があります。
定期同額給与とは?
その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与で、その事業年度の各支給時期における支給額又は支給額から源泉税等の額(注)を控除した金額が同額であるもの
(注) 源泉税等の額とは、源泉徴収をされる所得税の額、特別徴収をされる地方税の額、定期給与の額から控除される社会保険料の額その他これらに類するものの額の合計額をいいます。
国税庁HP
つまり、毎月25日(毎月同じ支給時期)に50万ずつ支給する役員報酬は定期同額給与に該当します。
一方で、3月決算の法人が、A役員に対する役員報酬を月額50万としていたところ、本来の改定時期でない10月から70万円に増額した場合、その増額について特別の事情がなければその増額分は法人税法上、法人の経費として認められません。
この例では、120万円が法人税の計算上、法人の経費として認められないことになります。
20万(70-50万)×6か月(10~3月)=120万円
なお、本来の改定時期に行う改定や、職制上の地位の変更、著しい業績の悪化など法人税法上に規定されたケースに該当する場合は、変動があったとしても、定期同額給与として法人の経費として認められます。
役員報酬の変更については、慎重に行いたいですね。
この記事は、記載日時点の法令・通達等に基づいて作成しています。
一般的な取り扱いを記載したものであり、個々の前提等を勘案した上で判断する必要があります。
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