【退職金と確定申告】退職金は確定申告必要?
名古屋市で中小企業の経営を支援する税理士
油谷景子(あぶたにけいこ)です。
「退職金って確定申告必要?」
今回は退職金と確定申告についてお伝えしてきます。
結論からお伝えしますと、所定の手続きをしている人は、退職金について原則として所得税の確定申告は必要ありません。
ここで2点注意してほしい点があります。
1つは、所定の手続きが必要ということ。
2つ目は、所定の手続きをしていても確定申告をする場合は、受け取った退職金について確定申告書への記載自体は必要になるということです。
それでは、具体的に一つずつ説明していきます。
所定の手続きとは「退職所得の受給に関する申告書」を、退職金を支払う会社に提出する事です。
※支払う会社側からこの申告書を書いてくださいという場合が多いです
この退職所得の受給に関する申告書を提出すれば、退職金を支払う会社側で所得税額等を計算して、必要な場合は所得税額等を差し引いて退職金の支払いをします。そのため、原則として退職金を受け取った方は確定申告は不要です。
ここで注意して頂きたいのは、例えば他に不動産所得がある、医療費控除や寄附金控除を受けるため確定申告をする場合は、確定申告書に退職所得の金額等を記載する必要はあります。
退職所得を確定申告書に書く場合、第三表という分離課税用の申告書の用紙に記載をします。
※国税庁のウェブサイトでも、記載例が公表されていますので、必要な方はご参考にしてくださいね。
ほとんどの場合、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先に提出しますので、退職所得の受給に関する申告書を勤務先に提出するケースについて解説しました。
これを提出しない場合は、取り扱いが異なりますので注意しましょう。
最後にポイントをまとめます。
第一に、退職金を受け取る時は、「退職所得の受給に関する申告書」を退職金の支払者に提出しましょう。
会社側は、この申告書を記入してもらいましょう。
第二に、原則として退職金について確定申告を行う必要はありません。
ただし、他に所得がある、又は医療費控除や寄附金控除などを受けるため確定申告書を提出する時は、第三表への記載自体は必要ですので注意しましょう。
この記事は、記載日時点の法令・通達等に基づいて作成しています。
一般的な取り扱いを記載したものであり、個々の前提等を勘案した上で判断する必要があります。
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油谷 景子